中国のスマートフォンメーカーは世界に挑戦し続ける

ジャパンバッシングと何か重なる中国バッシング

「ジャパンバッシング」とは、日本が高度経済成長を続けていた時期に、日本に向けられた批判のことで、主に政治経済に関して、
日本と欧米の間に存在した不公平を指摘し、日本を攻撃することを是としていました。
特にアメリカは、70年代の日本の高度経済成長期に景気後退やインフレに悩まされたことから、その責任は日本にあるとの声が高まりました。
そして「アメリカの産業」とも言える自動車産業にも景気後退の波は訪れます。
1980年代には、日本車の輸出などに押され、ゼネラルモーターズの経営状況が悪化。米国国内の失業率も10%に迫りました。
この頃の日本は、まわりが何も見えなくなるほど良い経済状況が続いていました。80年代が中盤に入っても日本の好景気は続きます。
いわゆるバブルですが、この「まわりが何も見えなかった」ことにより、アメリカ国内での対日感情が悪化します。
為替レート(円安)で輸出を優位に進める日本に対し、アメリカでは、日本市場が閉鎖的であることを常に攻撃しました。
中には日本人と間違えられた中国人青年が、日本に反感を持つ白人グループに殴り殺されるという事件も起きました。
このような不況、そして反日感情の悪化は、アメリカ政府を動かします。
閉鎖的な日本市場の開放を求め、日本製品に高い関税率をかけるなど、強い圧力をかけてきたのです。
この結果、日本は、主に農業関連で市場開放へと向かわざるを得なくなりました。
 
アメリカでは70年代から80年代にかけて、このようにジャパンバッシングが繰り広げられ、ハリウッド映画などにおいても、
日本製品を揶揄する場面が頻繁に登場したり、日本製品の破壊パフォーマンスが繰り広げられたりしました。
 
現在のHuaweiやZTEの立ち位置は、この70年代から80年代の日本製品に近い物があります。
連邦政府は、完全に根拠があるとは言えない「認識」を理由に、中国メーカー製のテレコミュニケーション関連機器を市場から排除しようとしています。
ここ数年、明らかにこの2社に狙いを定めて攻撃を続けるアメリカですが、中国メーカー側としては、まだまだあきらめないという気持ちが強いようです。
 
Huaweiのリチャード・ユーCEOは、アメリカ当局が同社製品のセキュリティーリスクを懸念していることについて、
「根拠の無い、ただの疑惑を理由にしている」と話し、不公平さを感じているようです。また、事実に基づいた議論が必要だとの認識も示しています。